夜色オオカミ
「睨むなよ……。」
口を塞がれたまま、今だ睨み付けているあたしに真神十夜は苦笑してスッ…と、手を離した。
「もうちょっと黙ってろよ?」
そう念押しすると
「せんせ~!天宮さん具合悪いみたいなので保健室行ってきます。」
「………っ!?」
そのままヒョイっとあたしを抱き上げ、
呆気にとられている先生やクラスメートに目もくれずスタスタと教室を出てしまった。
あたしはいきなりの展開に思考がついていけず
真神十夜にお姫様抱っこされたまま硬直していた…………。