夜色オオカミ




『…再発……?

雛菊が……?』



抱く少女に視線を移す。



わからなかったのだろうか?



その頬は痩け…青白い肌は生前もそうだった。



ひどく痩せた細い細い身体のどこに健康な彼女がいたのだろう…?



いや……わかるはずもない。



白百合を失った兄の瞳に映るものなど何もありはしなかったのだから。










『………っ!!』



奪うようにもう温かなぬくもりの消え失せた細い身体を抱き締めた。










『ヒナぁ……!!!』











君の命は儚かった



けれど、



こんな悲しい死を







けして、させたくはなかったのに……。








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