夜色オオカミ
『親父は……
どうして、そんなに強い……?』
うん?と十夜の問いかけに瞳を瞬いたお父さんは、ほんの少し空を仰いで考えた素振りを見せた後…、フ…と笑顔をこぼした。
『……私は何も強くなどないさ。
ただ、気づいただけだ。
全てを失う前に、大切なものに…ね。』
『………親父…』
広がる笑みにはこの人の父親としての
優しさと
愛…が、溢れてる。
『…気づかせて、やりたい。
黒き呪いは俺が断ち切ってみせる……!』
真っ直ぐに言い切った十夜の強い決意のみなぎる眼差しに
『ありがとう……十夜。』
お父さんは涙をたたえ…本当に嬉しそうに微笑んだ。