夜色オオカミ




――――……。






「ほんとによかった…。」



暗い闇の中に光を見つけたような気持ちだった。



「……!」



隠せない笑顔をこぼすあたしの右手を



不意に温かなぬくもりが優しく包み込む……。



隣をチラリと見上げれば、



「………。」



あたしを見下ろし、優しく微笑む十夜の瞳があった……。



大きな手であたしの手を、そっと握りしめ










「……ありがとな。」



「……!」









照れくさそうに



小さな声で、言ってくれた……。













『おまえが傍にいてくれることが…

どれほどの奇跡か…思い知った。』










廻り逢ったこの必然は《奇跡》――







何度でも、感謝します









――――あたし達を廻り逢わせてくれた……全ての人に









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