夜色オオカミ
「……あー…、マジかよ…。
おまえスゲーなぁ。
俺は滅多に耳なんか出さねぇのに。」
驚きに固まるあたしを見て、十夜は自分のピンと伸びた狼の耳を触ると感心でもしているかのようにつぶやいてニヤリと口の端を持ち上げた。
意味がよく飲み込めないあたしは不適に微笑む十夜の顔を呆然と見上げる。
「まぁ、つまり……。
理性キレた証拠じゃねぇ…?」
「………!?」
あたしの耳元で囁きニヤリ微笑む十夜の狼耳姿は、紅ちゃん蒼ちゃんのような可愛らしさはまるでなく
むしろ色気倍増!?
禍々しいまでの妖しい色っぽさを醸し出していた。
「ケダモノらしく、全部喰らってやるから……覚悟しとけ……?」
「~~~!!?」
チラリ…あたしを流し見る黒い瞳が妖しく光る。
その後
宣言通りにケダモノ十夜から美味しくいただかれてしまったあたしです……。
「もぅ……ゆるして……!」
「……まだ♪」