夜色オオカミ




「狼に変身する以外の…特殊な力…って?」



あたしが好奇心に弾む心臓を抑えつつ聞くと、



「俺達は勘が実に鋭いんだ。

その《直感》をもとに一族は栄えてきた。

おかげで真神家はずいぶんな資本家だ。」



つまり…宝くじや株なんかを買えば大当り。



穴を掘れば温泉やはたまた石油に当たるような感じなのだと真神十夜は言う。



この男、実はかなりのおぼっちゃんだったりするんじゃ……?



そう思いつつ、あたしはふと思い当たった疑問を口にした。



「……ねぇ、これってすごく…すごい話よね……?

こんな簡単にあたしに話しちゃっていいの??」



どう考えたって、これっておいそれとそこらの女子高生にするような軽い話しじゃないんじゃあ…………?



そんな疑問に彼を見れば



「俺達はどういう訳か男しか生まれなくてなぁ………。見事に男系の家系なんだよ。」



そうしてあたしをじっと見つめる。



「…………?」



あたしはよく解らなくてきょとんと首をかしげた。



あたしの質問にまったく関係ない切り返しに首を捻るばかりだ。



だいたい、話の脈絡がないんだもん。



首を傾げるあたしに真神十夜は面白そうに笑って



「おまえは俺の身内も同然だ。

身内に隠し事は必要ねぇだろう?」



「…………え……?」






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