夜色オオカミ




「大丈夫だ。

俺がおまえのすぐ傍にいる。

姉ちゃんを助けてぇんだろう?

…終わらせよう。

もう、涙は充分だ…。」



十夜の言葉に胸が詰まった…。



うん…



たくさんの人の涙を見たね……。



それは胸を締め付ける悲しい涙ばかりだった。










だから今度は










「…笑顔が、見たいね…?」



「……!」










十夜はあたしを見つめると力強く頷いてくれた。










終わらせよう。










みんなの……笑顔の為に。










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