夜色オオカミ
紫月さんは腹立たしげに二人を睨んだ。
だけど二人は強い目をして、紫月さんをしっかりと見据えた。
「…俺達懲りないことに決めたから。
オレも蒼も…何があっても…やっぱり紫月が嫌いになれないんだ。」
「うん。
紫月、真神に帰ろう…?
若様もそれを願ってる。
じぃじだって…!
みんなのことは…すぐには無理でも…俺達が説得するよ…!」
二人は一生懸命に言葉を紡ぐ……。
こんなにも、あなたを想ってくれる人達がいる。
気づいて
気づいて
気づいて
声を揃えて…そう言ってくれる人がいる。
あなたが気づけば…道は一つでないことをわかるのに……。
「…やめろ…やめろ…やめろ……!!!」
「「……!!」」
…たった一つに囚われてしまった心は…
――――まるで怯えるようにそれを拒んだ……。