夜色オオカミ
キラキラと散った涙を纏い…心花は更に美しさを増した。
見惚れる姿に微笑みを乗せて…目が離せない。
『ねぇ……紫月…。
あたしには、抱きしめられる腕も…抱きしめてもらえる温かな身体も…無くて。
あなたに声すら伝えられない出来損ないだったけど……
この出来損ないなあたしのまま……
…あなたをずっとずっと愛してた……。』
「心…花……っ!!」
『このままの出来損ないじゃあ…ダメ…?』
そう言って…
心花は儚く……美しく……笑った。