夜色オオカミ
普通ならそうなのかもしれない。
向こうはあたしに好意があって…あたしも向こうに好意が…ある…と、思う。正直。
女の子達の風あたりは厳しくてもそれを怖いと思ってるわけじゃない。
人狼で…普通ではないけど、それをありえないくらいすんなり受け入れてしまった自分がいる。
だってあの狼はあたしを助けてくれたいい狼だし…………。
もしかしたら、本当に人狼と花嫁との絆ってやつが関係してたりして……?
なんてことまで思うようになってる。
でも、それでもあたしは戸惑っていて……なかなか踏み込めなかった。
あたしが不安になるのは……
『生涯のただ一人の相手』
あの狼の言葉………。
『相手が死んでたら…一生誰も愛さない』
それって……さ、
どれだけの想いなの………?
あたしを間違えてはないの?
絶対間違えないって言ったけど……
もし、間違いだったら……?
その時――あたしはどうすればいいの……?
――――傷つきたくないと
臆病者なあたしが首をもたげる。