夜色オオカミ
――――16歳になったら花嫁を探し出す。
鋭い直感をもとに
狼の血をひく真神一族のしきたりだ。
俺の父親も爺さんもそのまた爺さんも……そうして花嫁を探し出した。
まずは、生きていることを願って。
なんだそれ………。
正直思ってた。
代わりはいない。
俺達は生涯でただ一人しか愛さない。
恋だ愛だを知らない俺には意味不明………。
父親も爺さんも出逢えば解ると声を揃えて言った。
それは衝撃的で甘く狂おしい――…
今までにない感覚を、花嫁は甘い花の香りとともにもたらすのだと。