夜色オオカミ
それから灰斗は「忘れるな!」としっかり念を押して
何だか晴れやかな…満足気な顔をして帰って行った。
十中八九、花嫁絡みかもしれねぇな………。
アイツにも早く現れればいいと心から思う。
会えばイラつく事をするバカな従兄弟だけど………
その計り知れない気持ちはわかってるぞ?
俺達の心の半分は花嫁が持っていて………
それを満たすものは花嫁だけだ。
それこそ死ぬほど愛して、愛されて………。
もうおまえを見つけちまった俺は
今くらいじゃぜんぜん我慢できねーんだよ。
だからさっさとこの手の中に
落ちてこい。
後は死ぬほど―――愛してやるよ。