夜色オオカミ
「今日は萌花の買い物に付き合う約束してるから………。」
用事があったことがほっとしてるような残念なような…相変わらず意地っ張りなあたしの心は複雑だ。
「あ~…。時間はとらせねぇから。」
「いったい何の用?
萌花いても平気だったら別に…いいかな。」
何だかいつになく歯切れの悪い十夜に、あたしの方が何の用事なのか気になりだしてしまった。
「鈴木もいていい。………とにかく、放課後な。」
そう言ってさっさと行ってしまう。
こんな風に取り残されたのは初めてで……
あたしは放課後までひたすらモヤモヤしたものを抱えることになってしまった。