夜色オオカミ
花嫁と狼達の巣窟
それは思いもよらないことだった。
「十夜の家に……!?」
「そう。今度の日曜日。」
十夜はそう言うと、にっこり笑った。
え、笑顔がまぶしい!
付き合ってから初めて十夜からのお家ご招待……!
今度の日曜日…今日は金曜日だから
「あさって!?」
急な話しにあたしの声は上擦っていた。
「……いやか?」
「………っ!?」
その…っ!捨てられた子犬みたいな目は反則………っ!!
キュ~ン…と聞こえてきそう………。
垂れた耳としょんぼりしたしっぽが見えるよう………。
「………お…っ、おじゃまさせていただきます………っ!!」
あたしの心はあっさりと折れた。
「そうか……!
みんな楽しみにしてるんだ。俺も楽しみにしてる」
にっこり。
ピン!と立った耳とぶんぶん振ってるしっぽが見える。
「…………。」
あれ……?今………
「………みんな…?」