夜色オオカミ
じっと、何だか機嫌の悪い十夜を見つめていると
「なんでもう帰るんだよ。」
…ぼそりと一言。
「…………!」
ふいっと向こうを向いた十夜の顔はほんのり赤い。
あたしが、帰るって言おうとしたから拗ねてる……?
「すげぇ楽しみにしてたのは…じいさん達だけじゃねぇぞ?」
「………っ!」
十夜って…十夜って……
「…まだ、帰るな。」
「………!!」
素直で真っ直ぐで…
あぁ…もう、本当に………
「もう、大好きだよ……。」
「………!!」
あなたには絶対、適わない。