ヤバイヤツに恋をした★恋する通学電車
今はまだそんなに混んでないし、他にいくらでも立つ場所なんてあるのに、
なぜかココが、いつも結城くんの定位置。
私は慌てて、手元の本に視線を落とした。
結城くんが私の前に立ってるって思うだけで、
ドキドキして、本の文章なんて頭に入ってこない。
いつもね、結城くんはつり革に片手をひっかけて
もう片方の手で本を読んでるの。
下向いてるから、もしかして上向いたら目があったりして? なんて思って、
チラッと顔を上げてみる。