新しい年の恋人 短編
「じゃあ頼むよー」
瑞希の声が聞こえたかと思えば、ガチャッと扉の閉まる音。
頼むよー…ってなんだよ?
そういえば、もう朝か……。
いつの間に寝たんだ俺。
明るい日差しが俺を捕える。
その眩しさに完全に目を覚ました。
「コーヒーでも飲むか…」
リクを跨いでキッチンに行く。
自分で作るのも面倒だ。
缶コーヒーねぇかな…。
そんな淡い期待を持ちながら冷蔵庫を開けるが見当たらない。
「買っときゃよかった…」
そう独り言を呟くと、俺は風呂に入る準備をする。
その前にリク起こしとくか…。
朝飯でも作らせとこ。
寝ているリクのところに行き、布団をどけるっリクの腹を踏む。
「うっ…」
鈍い声を出して目を開けるリク。
「響夜…いてぇよ……」
苦しそうに起き上がるリク。
「飯作っといて、俺風呂入るから」
そんなリクを気にとめることもなくその場を後にした。