新しい年の恋人 短編
ジェラシー



んだよ……ガキか俺は…。



ムカムカとした感情に恥ずかしくなる。



それと同時に、自分が情けなくて仕方ない。



外で深くため息をついて煙草に火をつけた。



外は閖の引っ越しを歓迎するようにバカみたいに綺麗な青空だった。



「……あのー…」



申し訳なさそうな小さな声に、ぴくっと反応する。



今日初めて聞いた新鮮な女の声。



それでも、声だけでわかるようになったのは“この気持ち”のせいなんだろう。



申し訳なさそうに俺を見つめるその瞳は、うるうるとしていた。



泣く場面なんてなかったであろうから、きっと元々なのだろう。



今までムカムカしていた感情が少し和らいで胸が高まりテンションが上がる。



こんなことで……。



なんて単純なんだと思いつつ俺は少しでも好感度を上げようと、優しい声で返事をする。



例え、リクが好きだとしても。



相手がリクでも諦めたりはしねぇ。



あいつが捨てて傷ついたときにその隙をついてアタックしてけばいい。



周りになんて言われても……。



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