新しい年の恋人 短編
そんな俺に、リクはまた笑顔で言い放つ。
「煙草やめたら?」
「なんでだよ…」
「閖ちゃん、煙草嫌いなんだってー」
“ごちそうさま”と言って席をたつ。
なんでリクがそんなこと知ってんの?
さらにイライラが高まる。
だが俺はリクの言ったことに従い煙草をしまった。
「…んだょ…………」
思わず漏れた言葉はあまりにも小さく情けねぇ。
本当に俺か?
疑問をぶつけながら目の前にあるパスタを食べ始める。
「あの…響夜さん」
初めて呼ばれた名前に少々驚きながら、呼ばれた方を見れば自分の分を持って、リクが座っていたところ………俺の目の前に座る。
そんな行動にドキドキして、気分が上がってく。
「煙草…我慢しなくていいですよ?」
笑顔でそう言う閖が可愛くて、また高鳴る胸の鼓動。
思わずパスタを食べる手が止まる。
「別に…あんたの部屋だろ?……無理すんな」
嫌われたくないと必死で、こいつが嫌がることはしたくねぇから………。
できる限りのことは我慢してぇ。