新しい年の恋人 短編
本当に些細な反応、行動。
だがそんな些細なことに、いちいち俺の気持ちを刺激して膨らませる。
「あれ…」
「どうしたんですか?」
閖も飯を食べ終わり片づけを再開しようとすると、リクがいないことに気づく。
「リクがいねぇ」
あいつ…抜けやがったな……。
「てことは…2人きり……ですか?」
「……え?」
突然の閖の言葉に、俺は耳を疑う。
驚いて、閖の方を見れば顔を真っ赤にさせて慌ててる。
「や、あ、その…そーゆう意味じゃ…」
必死に違うと言い張る姿にまた胸が高鳴る。
本当に、期待しちまってもいいのか?
「事実に変わりはねぇ…」
否定したくなくてそう言えば、さらに顔を赤く染めた。
「……始めっか」
引っ込みがつかなくなってきて、そう言うと閖はコクンと頷いた。