新しい年の恋人 短編
「響夜ぁー!ドリンク決まったか〜?」
俺がシカトしようとしたとき、リクが俺の名前を呼ぶ。
輝の声と女の声がして、流れる曲にそって歌っている。
「…響夜ってゆうの?」
大きなその瞳で俺を見る。
俺の返事がないからか、リクが俺のところに来た。
「なぁ響夜〜…」
俺の名を呼びながら近寄るリクが一瞬目を見開いて目の前にいる女を見た。
「はじめまして…!」
リクに笑いかけ挨拶する姿はニコッと言う効果音が適しているだろう。
「どーも…」
少し驚いたようにしていたリクも笑顔で返してた。
「俺、烏龍茶…。どーせ、酒飲むんだろ?」
2人の会話なんて聞いていないかのように、俺は自分の飲むものをリクに伝える。
「さっすが、響夜くん♪」
「ったく…運転嫌いなんだけどな……」
そう呟いてリクの方を見る。
「まぁ気にすんなよ!」
俺の肩を叩きながらリクが言う。
そんな様子をじーっと見つめる女。
さっき名前言ってたけど…なんだったかな……
ま、どーでもいいか。
リクが目の前の女を笑いながら見つめる。
次はこの女をターゲットにしたのだろう。