とらいあんぐる
◎第一章
嫌い
『北岡美優です』
高校一年生になってもうすぐ2ヶ月になる。
学校にも少しずつ慣れてきて、友達も沢山出来た今日までの高校生活。
中学の頃はバレー部の副キャプテンをしていた事もあり、人見知りはあまりしない自分。
『基本週3出勤でもいいかな?』
小遣い稼ぎの為に受けた、高校の近くにある喫茶店のバイト面接。
現在面接の真っ最中である。
『はいっ』
お得意の笑顔で振り撒いて、面接官の若い男の人を見る。
接客業はスマイルが大事だと、親にうるさく言われたから。
『………じゃ、決まったらまた連絡するね』
若い男の人はそう言って、何とか失敗なく面接を終えた。
店を後にした時、ハァと大きなため息が溢れてしまう。
初めての面接はさすがに緊張したぁ…
面接を終えたと親にメールを送り、そのままある場所まで徒歩で向かった。
少し歩いて10分程、住宅街を進んで大きな白い一軒家に着く。