近くて遠い君へ
「この仕事って、出会い?かなりある方だと思うし
敦さんて、お客さんからも結構声掛けられてますよね、
そっちは全然興味なしっすか?」
「岡崎、
コイツ、がつがつ来る女嫌いなの。」
「うわー何様ー?
そんないい男でもないくせ〜。」
岡崎どさくさに紛れて失礼な事言ってない?
「違うよ。
ミナちゃんがいたから、他の子なんて目に入らなかった…
毎日会いたかったし
毎日話したかったし
とにかくなんでもいいから、近くに居たかった。」
「そんなモンだろ。
恋は盲目って、な。
皆川、前にすると我を失うお前の事だよ、ったく。」
店長が優しく肩を叩く。
「だから、それでいーんじゃねえのって。
皆川は、まあ気の毒だけど、どうするか決めるのはアイツだから。
やりたいようにやればいい。
…節度を守って、だな。」
「こ、校長かよ。」
思わず岡崎が、突っ込む。