近くて遠い君へ
「疲れてどっかで寝てんのかなー?」
『チーフ。さっきのお客さん今日時間ないからって、違う日予約して帰られましたので。』
受付から内線が入る。
「よかった。
了解。俺休憩入るから誰か来たら呼んで。」
『はい。』
ふうー疲れた。
椅子に大の字に座る。
煙草に火を点け、考える。
店長、
どこ行ったんだ。
サボってんな。
「お疲れ様でした。」
店の入口からミナちゃんの声。
うわータイミング悪、俺。
最近こんなんばっか。
ガックリ肩を落としていると―、ひょこっと店長が帰ってきた。
「て、店長…」