近くて遠い君へ


カチカチカチ


時計の音しか聞こえない静かな倉庫。


ミナちゃんはさっきから一言も喋らない。


「やっぱりあの時

聞いてたんでしょ。」


痺れを切らした俺は手を止め、


ついに核心に迫る。


「…え。」


「ミナちゃん、俺と店長の話、

聞いたんでしょ。」


作業を止めようとしないミナちゃんの手を掴む。


「だから、また怒られる、でしょ?」
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