近くて遠い君へ
触れるだけのキス。
もう一度、放心状態のミナちゃんの頭を寄せ
今度は深く唇を重ねる。
その柔らかい唇に
柔らかい体の感触に
このまま堕ちてしまいそうになる。
唇を舌で舐め、そのまま少しだけ開いた唇から舌を入れる。
「ん…やめ…。」
我に返ってトントン胸を叩くミナちゃん。
ゆっくりと顔を離す。
こんなに間近でミナちゃんを見たのは初めてだった。
潤んだ瞳が物凄い色っぽい。
―と、
事務所の方から大きな声が聞こえて来た。