近くて遠い君へ
顔を覗かせたのはミナちゃんだった。
「…誰かいますか?
店長?
…雅也さーん?」
雅也さんとは店長の名前。
当然面白くない俺。
「店長じゃないよ。」
本棚から顔を出す。
「あっ…スミくん?
ど、どうしてここに?
今日休み…だよね?」
驚いた顔のミナちゃん。
「明日、会議あるから前年度の資料探してって店長が。
だけどここ、資料が膨大過ぎて…。」
「前年度の、店舗の資料?」
「うん。」
「そっち側にはないかも。
スミくん、あたし場所分かると思うから…
帰っていいよ、探して準備しておくから。」
そう言うと、資料室に入ってきた。