桜が散るように ー 新撰組 ー



「桜さん、今、土方さん居ます?」

「はい、居ますよ。何か御用があるんですか?お仕事?」


非番の日まで大変なのかな、さすが組長!、と思っていると

沖田は綺麗に微笑んで


「違いますよ?悪戯をしに来たんです」

「自分の部屋にお戻りください」


(前言撤回!やっぱり沖田さんは沖田さんだった!)

土方は今日、徹夜で仕事をしている。

そんな時に悪戯されたら…、なんて考えたくない。


「あの、土方さんは今、気が立っているというか……」

「知ってます!だから悪戯する絶好の機会なんです!」

「最悪の機会でしょう!?」


キラキラと、一見すれば純粋に見える笑顔で、とんでもないことを言う沖田。

桜は、沖田が嗜虐的傾向にある人――つまりはサド――だと理解した。




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