桜が散るように ー 新撰組 ー
どこで見つけたのやら、いつの間にか手に持って追いかけてきた沖田から逃げる桜。
(なんで素手で持てるの!?)
にこやかに追いかけてくる沖田には恐怖しか感じない。
「ハハッ、やだなぁ。監察方になったら屋根裏とかの活動が多いんですよー?ゴキカブリなんて、それこそ沢山…」
「言わないで下さい!」
そんなやりとりをしながら、もう屯所内を一周した。
桜は逃げる方法を考えて――
(…やむを得ない、うん、しょうがない!だって私には手に負えない!)
―――ガラッ
襖を開け、中にいる人物に助けを求めた。
「た、助けて下さい!―――土方さん!」
「はあ!?」
土方はいきなり入ってきた桜に困惑した。
もともと、土方に迷惑かけないように沖田の相手をしようと思った桜だが
本末転倒になってしまった。