桜が散るように ー 新撰組 ー
桜は、沖田もいなくなったことだし、と、気合いを入れ直して掃除を再開した。
雑巾で、部屋の隅にある埃とか塵などをとっていく。
手が汚れるのが嫌だが、気にしていられない。
自分の部屋でもあるのだから、不衛生なのは嫌だ。
なんといっても
この部屋にゴキブリが出たら嫌だから、隅から隅まで念入りに拭く。
そして、しばらくして
「っはー!終わったぁ!終わりましたよ土方さん!」
「おぅ、随分と綺麗になったな」
「はい!もうゴミ溜めっていうか、ゴミそのものみたいな部屋が生まれ変わりましたよね!」
「おい、そりゃどういう意味だ」
「いだっ!」
土方は桜に拳骨を一発くらわせた。
桜は殴られた場所を抑え、土方を上目使いで睨む。
「痛いですよ、本当のことじゃないですか」
「もうちっと言い方ってもんがあるだろう」
「土方さんが忙しさにかまって掃除しないからですよ…」
「………」
少し苦々しい顔になる土方。
自覚はあったらしい。