桜が散るように ー 新撰組 ー
結局、三人とも相手をし、クタクタになった桜は、普段の着物に着替えて夕ご飯の支度をすることにした。
……が、
「あら、良いのよ?今日はお休みの日だって山崎さんが言ってらしたし」
「え、でも」
「さっきまで試合してたんでしょう?休んだ方がいいわよ?」
「うっ、はい…」
天女よろしくなお美弥さんの言葉で、手伝いはしなくても良いことになった。
部屋に戻ろうとすると
「っあ!山崎さん!」
「…なんだ?」
山崎の後ろ姿を発見したので駆け寄った。
「山崎さん、お美弥さんに告げ口しましたね!?」
「人聞きの悪い。俺はただ『川瀬桜は今日は休みのはずだが試合をしていた。だから休ませてやってくれ』と言っただけだ」
「ありがたいですけど!お美弥さんが大変じゃないですか…」
そう言って俯く桜に
山崎はため息を一つついて
「はぁ…。そこの部屋に入ってろ」
「え」
「いいから、俺の部屋だ」
「え、えっ」
すぐそこの襖を開け、部屋の中に桜を押し込んだ山崎は
「いいか、部屋から出るな。じっとして待ってろ」
そう一言残して、襖を閉めてどこかに去った。
一人残された桜は
「ええー…」
茫然とするしかなかった。