桜が散るように ー 新撰組 ー
山崎にお礼を言って部屋を出た桜は
なんとなく疲れがとれた気がしていた。
明日からまた頑張ろうと、気合いを入れ直して
「そういえばそろそろ夕飯のお時間…。っあ、土方さんを起こさなきゃ」
土方を起こしに去った。
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そして、次の日
「山崎に頼まれてな。ほらよ」
「いや、『ほらよ』とか言われて急に渡されても……」
桜は土方に
少し大きめの巾着を渡された。
一見可愛らしいそれは、持ってみると意外に重い。
「何ですか、これ?」
桜が土方に問うと
「鉄の塊が入ってる」
と、土方は一言で返した。
「鉄……」
山崎の意図が分からない桜は、首を傾げる。
「とりあえず、『肌身はなさず持っていろ』と言ってたぞ」
土方の言葉に、一つ頷いて、巾着を腰に結いつけた。