桜が散るように ー 新撰組 ー
話が終わる頃には
頬の熱さも冷めていたから、山崎の顔を見て
「じゃあ、今日も訓練しましょう!」
と言った。
山崎も頷いて、歩き出したので、後ろをついて行った。
―――
――――…
そして
鉄の入った巾着を身につけてから数日。
「きゃあっ!?」
「うおっ!?」
胡座をかいて、机に向かって書類を書いている土方に桜は倒れかかってしまった。
土方は咄嗟に桜の身体を腕で受け止めた。
「あぶねぇな」
「す、すみません!今、筋肉痛で足が動かなくて…」
あの巾着をつけたままの特訓は結構キツい。
重さには慣れてきたが、身体はついていかない。
「なるほどな。頑張ってるんだな、意外に」
「意外にって何ですか!?一言余計…で、す……」
反論するために顔をあげた桜は、土方に支えてもらったままの事に気付いた。
「わ、ごめんなさい!」
(顔、近かった…)
至近距離で端正な顔を見てしまったせいか、心臓が跳ねた。