桜が散るように ー 新撰組 ー
土方さんは頭を抱え、ため息をついた。
それと同時に罪悪感がでてきた。
「う……なんか、すみません…。」
「あぁ、しようがねぇから女中呼んでくる。着付けの仕方、教えてもらっとけ。」
「はい……。」
しばらくして、女中さんがきた。
そして、着付けてもらった。
「桜さん。髪、上げましょうか。簪あるんで。」
「あ、はい。」
女中さんは私の髪を纏めて、簪でとめた。
「桜さんの髪、綺麗ですね。」
「え?そうですかね…?」
自分ではよく分からない。
それより、土方さんとか沖田さんの髪のが、よっぽど綺麗だと思う。
「綺麗ですよ。艶のある、長い黒髪で、サラサラですもの。」
うふふ、と笑って言う女中さん。
「え?あ、えっと……ありがとうございます、女中さん。」
「女中さんなんてやめてください。私は美弥子です。お美弥とお呼びください。」
「お美弥、さん……?」
「はい。……あ、着付け終わりましたよ。」
私はお美弥さんに一礼し、お礼を言って土方さんを捜しに部屋を出た。