桜が散るように ー 新撰組 ー
仕方なかった。
やらなきゃ、やられてた。
「…時代の違いは、痛いなぁ」
土方も居ない部屋で目を開けて、ぼそりと呟いた。
そして再び瞑目する。
――――
―――――
―――――――…
数日後
「なあなあなあ!桜!」
「え、あ、藤堂さん!お久しぶりです!」
手をブンブンと振りながら近づいてきた藤堂に、笑みを返すと
藤堂は神妙そうな顔をして
「…やったんだって、な」
と、言った。
その瞬間、悟る。
なにを『やった』なんて愚問だ。『殺った』と、彼は言った。
「こんな女は、イヤですか?」
「いや違う!すげぇよ、男でも覚悟するのは辛いことだぜ?」
「……」
「軽蔑なんかしてねえよ!むしろ感心してる…痛ぇっ!」
誰かが藤堂の頭を背後から叩いた。
「な、にすんだ……って、あ、土方さん…」
「なにすんだ、は俺の台詞だ。ちょっとコッチ来い」
土方が藤堂を引きずって行くのを見て、桜は部屋に戻って紙袋を手にした。