桜が散るように ー 新撰組 ー
羞恥心があるが開き直っていると
「あの、さ…」
「藤堂さん?」
「いや、なんでもない…」
「………」
どう見ても気落ちしている藤堂。
よく見ると、藤堂の髪の生え際あたりが赤くなっている。
それは土方の手も同様だった。
桜は、はぁー、とため息をついた。
藤堂は土方に叩かれたのだろう。
桜に話しかけようとしたところから見て、おそらく先ほどの藤堂との会話が理由で。
(過保護な父親は嫌われますよーっと)
土方を呆れた目で一瞬見て、視線を藤堂に移す。
「あのですね、藤堂さん」
「あ、うん」
「私、気にしないことにしました」
「あ、うん………え?」
「全部、気にしません」
「え、え?どうしよう今度は俺が意味分かんないんだけど」
ワタワタしてる藤堂と
その後ろで、たぶん意味を理解しただろう土方。
「数日間、考えて考えて。考えて、分かりませんでした。だからもう考えません。気に、しません」
私が、
正しかったのか、そうでないのか
あの時
やらなきゃやられてたからって、本当に殺してよかったのか
全部、全然、わかんないから
もう、考えない。