桜が散るように ー 新撰組 ー



少し不機嫌そうな山崎に対して、広げていた腕を組んで、余裕綽々な土方。


「やりすぎじゃねえだろ?なんたって俺は『父親』だからな、桜?」


ニヤリと不敵に笑う土方。


「え、ああ。お父さんですよ!」


コクコクと頷いて、同意を示す。
すると、更に不機嫌になる山崎。

こんなに感情を出しているのを見たことがなかった桜は、少し驚いてしまう。

山崎は腕を掴む手に微量の力を入れ、桜を見る。


「川瀬」

「はい」

「副長だって男だ」

「……。え、当たり前じゃないですか。そんなこと知ってますよ」

「………」


ボカッ、と頭に軽い衝撃がきた。


「いたっ!な、なんで叩くんですか山崎さん!?」

「糞鈍感だな、川瀬」

「糞鈍感!?」


なんて酷い言い様だ、と憤慨していると、土方がクックッと喉を鳴らして笑う。



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