桜が散るように ー 新撰組 ー



まあいい、と話を続ける土方。と、耳を傾ける桜。


「その公武合体派が、長州とかの尊皇攘夷を京から追い出してな」

「追い出しちゃったんですか」

「おぅ。だがな、コソコソと京に入り、復讐やらを企む長州の奴らがいないとも限らねえ」

「なるほど…」


それを未然に防ぐための、今回の仕事か。と納得し、頷く。

急速に、直接関わると怪しまれる。
それ故、近くの甘味屋で働きながらの監察、というわけだ。


「つまり町娘に変装ですか……出来るかな」

「男装してえなら袴貸すぜ?」

「わぁい町娘嬉しいです」


と、そんなこんなで始まった潜入調査。

桝屋からさほど離れてない団子屋さんに、短期で働かせてもらえないか、と頼んだところ

二つ返事で了承してもらえた。




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