桜が散るように ー 新撰組 ー



しばらくして、
ようやく接客に慣れてきた桜。

注文された品を持っていき、会計をして、どきどきお話をする。



「椿ちゃん、少し休憩してもいいわよ。奥にお団子も用意してあるから」

「え、ありがとうございます奥さん」


お言葉に甘えて、少し休むことにした。

立ちっぱなしだったから、足の裏が痛い。

奥にある長椅子に座り、フーッと息を吐く。


「うぁー。やっぱり仕事って楽じゃないなあ」


桝屋を仕事の合間にチラチラとみてはみたが、不審な点は見つけられない。


「時間かけなきゃいけないのは分かってるんだけどなぁ」


ズズッとお茶をすすり、団子をひとつ食べる。


「あ、美味しい!」


モグモグと咀嚼し、ゴックンと呑み込む。

そして自分の両頬を叩いて気合いを入れる。


「うし、焦ってもしょうがない。今は接客して、馴染むことから始めないと!」


休憩終わりましたー!と言って、再び接客に専念することにした。




< 168 / 242 >

この作品をシェア

pagetop