桜が散るように ー 新撰組 ー
しばらくして、
ようやく接客に慣れてきた桜。
注文された品を持っていき、会計をして、どきどきお話をする。
「椿ちゃん、少し休憩してもいいわよ。奥にお団子も用意してあるから」
「え、ありがとうございます奥さん」
お言葉に甘えて、少し休むことにした。
立ちっぱなしだったから、足の裏が痛い。
奥にある長椅子に座り、フーッと息を吐く。
「うぁー。やっぱり仕事って楽じゃないなあ」
桝屋を仕事の合間にチラチラとみてはみたが、不審な点は見つけられない。
「時間かけなきゃいけないのは分かってるんだけどなぁ」
ズズッとお茶をすすり、団子をひとつ食べる。
「あ、美味しい!」
モグモグと咀嚼し、ゴックンと呑み込む。
そして自分の両頬を叩いて気合いを入れる。
「うし、焦ってもしょうがない。今は接客して、馴染むことから始めないと!」
休憩終わりましたー!と言って、再び接客に専念することにした。