桜が散るように ー 新撰組 ー
山崎が戻ってきたときには、手に白い湯気が立ち込める椀を持っていて、中に入っているのは抹茶だった。
「飲め」
「……ふふっ。はい」
前にも同じようなことがあったな、と思いだし、笑う。
温かいソレを受け取り、コクンと一口飲む。
前は嫌いだった苦味も、なんとなく気持ちをホッとさせてくれる。
「話せるか?」
「たぶん。私の中でも纏められてないんですけど…」
そして、あの時の会話を思い出す。
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――――
―――――……
「僕が知ってることを教えてあげる」
「僕が知ってるのは――――時空移動の方法だよ」
その言葉に、ただただ黙るしかなかった。
どういうことなのだろう。
戻れるのだろうか。あの時代に。
平和なあの時代に。