桜が散るように ー 新撰組 ー
神は知を罪と言いました
―――
――――
――――――…
思い出して。早く。
―――さくら。
「ヨシ兄ちゃん、あそぼ!」
「さくら。今日はなにして遊ぶの?」
この時、まだ四歳だったさくらは屈託ない笑顔でこう言った。
「かくれんぼ!」
ヨシ兄ちゃんが鬼ね!とフニャッとした笑顔で言われたら
「しょうがないなあ」
断るなんて、出来ないじゃない。
さくらが隠れる間、ボクは後ろを向いて百数える。
「いーち、にーい」
ボク、川瀬芳野と
さくらは兄弟じゃない。
さくらの両親はとある任務で亡くなって、ボクの両親が引き取った。
「ろくじゅうさーん、ろくじゅうしー」
ぼろぼろ泣いて、いつか干からびちゃうんじゃないかってくらい泣いて、ご飯もたべないさくらに、ボクが家族になるから、って。
そう言ったら
さくらはぼろぼろ泣きながらボクに抱きついて。
その日から、ボクはさくらが愛しかった。