桜が散るように ー 新撰組 ー
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目が覚めたら
何故か病室にいた。
心にポッカリと穴が空いているような気がした。
何が、というわけではないが、確かに何かがなくなったような、そんな感じがして
ただ、悲しくて、泣いた。
病室の白さが悲しさを増幅させた。
それから一日経つと、警察の人が二人、訪ねてきた。
両親が死んでから数ヶ月、桜は行方不明扱いになっていたらしい。
「私、両親が…、その、亡くなって、そんなに経ってないような気がするんですけど」
そう言うと、警察は顔をしかめた。
「誰かに誘拐されて、何かされた可能性が高いな」
「思い出すことを拒否している…と?」
二人がボソボソと話しているが、小声なので聞こえない。
桜が首を傾げると、二人は慌てて笑顔を取り繕った。