桜が散るように ー 新撰組 ー
貴方と共に
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痛みで脂汗が額に浮かぶ。
腹を銃で撃たれた。
俺は今、揺れる船の上で死にかけている。
幕府はもうだめだ。
新政府軍は、圧倒的だ。
武士の時代は終わったのだと悟った。
「山崎…」
「ふ、くちょ、う」
少し不安そうな顔をした副長が来た。
局長は死んでしまった。
沖田さんも、療養のため、遠くに行ってしまった。
藤堂さんも、油小路の変で亡くなってしまって、原田さんも永倉さんも離脱してしまった。
「…今夜が山場だそうだ。医者が言うには、気の持ちよう、だ。…踏ん張れよ」
分かってます。
でも副長。
良い気を持つことは出来ないんです。
俺の役目は終わった気がするんです。
そう思いながらも、うなずいた。
副長は部屋から出ていく。
俺は目を瞑り、瞼の裏にアイツを見る。