桜が散るように ー 新撰組 ー
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あまりの眩しさに瞑っていた目を開けると、目の前に目を見開いたまま静止している土方がいた。
「…おま、」
「っ、土方さん!」
「桜…、か?」
「え!?土方さんの髪が短くなってる!!和服じゃない!!ていうか船ですか、此処!?」
「……。桜だな」
感動もへったくれもねえ、と溜め息とともに言った土方。
「あの、土方さん」
「あ?」
「山崎さん、どこですか?」
そう訊ねると、土方は語った。
山崎が重体であること、今夜が山場なこと。
「っ、私、山崎さんのところに行ってきます」
そうして桜は駆け出そうとする、が
「土方さん…?」
土方が桜の腕を掴んで、ひき止めた。
「なあ、桜。お前の気持ちが固まったことは気づいてたんだ。でも」
「……」
「一人の女として、お前が好きだ。…わりいな」
桜は土方にきちんと向き合って、目を合わせる。