桜が散るように ー 新撰組 ー
【沖田視点】


『…戦える身体じゃ、ねえだろう』


土方さんは私にそう言った。

労咳になっていて、寝たきりの生活が多かった私には、戦える力が残ってなかった。

認めたくなかったけど、私はもう足手纏いでしかなかったのだ。


そして、土方さんは、女中であるお美弥さんと一緒に、遠く静かな所で療養するように伝えた。


「沖田さん、お薬ですよ」

「えー、飲まなきゃダメですか?」

「……ふふ」

「…、飲みます」


苦いにがーい薬を飲むのがキライだ。

治るならまだしも、進行を遅らせるだけの薬で死病が治るはずがない。


「うぇっ」


苦すぎて、嫌すぎて、吐き気がする。


「沖田さん、汚いですよ」

「いやいや仕方ないじゃないですか!苦いんですよ!?甘い薬ってないんですかね!?」


慈愛で満たされているような笑顔で『汚い』と言われると心にグサッと刺さる。



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