桜が散るように ー 新撰組 ー
ふと、目を開けると
低い天井。
木の匂い。
ボーっとする頭の隅で
頭を撫でてくれてる優しい手を感じながら
私は再び眠りにおちた。
「……泣くな。」
低く優しい声と
頬を伝う涙を感じながらー…。
*******
再び目を開けると
「どこ?……ここ。」
和室の、お世辞にも寝心地はいいとは言えない布団で寝ていた。
襖は閉まっていて、外がどんな様子なのか分からない。
ーー…私は、一体……。
上半身を起こし、横を見ると、私のお出かけようの白いバッグがあった。
それについている血を見たら………思い出した。
ーーー…ああ、私だけ助かったのか。
泣きたい。
なのに泣けない。