桜が散るように ー 新撰組 ー
桜が視線を向けているのが分かったのか、その三人は近づいてきた。
「俺は永倉新八っていうんだ!二番組組長だ!好きに呼んでくれ!」
「へ?…は、はい!」
永倉と名乗った人物は、桜の手をがっしりと握った。
すると、その後ろから少し背の低い少年が現れた。
「ほら新八っつぁん。女の子困ってるじゃん。」
「あの……あなたは?」
「あ、俺?俺は藤堂平助!八番組組長なんだ、よろしくな!」
藤堂は気さくな人らしく、明るい調子で話した。
「新八も平助も、なにもそんなに気合い入れて名乗らなくても良いだろ?」
いつの間にか桜の隣に来ていた背の高い人物。
桜が目線を向けると、それだけで分かったのか、桜が何も言わなくとも名乗ってくれた。
「俺は原田左之助。十番組組長だ。まぁ、よろしくな。」
原田は桜の頭をポンと撫でる。
「よ、よろしく…です。」
それが少し気恥ずかしく、桜はうつむきながら挨拶した。