桜が散るように ー 新撰組 ー
サクラの歌
そして――…
辺りは暗くなり、皆、酔いつぶれていた。
桜は中庭に出て、サクラの木の下にいた。
桜は不意に思い出した歌を歌う。
「桜、桜よ
散りゆく桜
巡り巡り
辿り着く先は
見知らぬ場所が良い
舞い上がる花弁を
追いかけても掴めずに
桜、桜よ
散りゆく桜
廻り廻り
落ちゆく先は
アナタの居る場所を願う
花弁散らす風と
駆けても何も掴めずに」
「なんの歌だ?」
桜は急に背後から聞こえた声に振り向く。
そこにいたのは
「土方さん。」
土方だった。
夜風に当たって、酔いを冷ましにきたのだろう。