桜が散るように ー 新撰組 ー
「俺は別に、散ることなんざ怖くねえ。戦いの中で死ねるなら、むしろ本望ってもんだ。」
だが、と土方は続ける。
「俺が怖いのは……散りきれねえことなんだ。」
その言葉に、桜は首を傾げる。
「意味が……分からないです。」
「そうだろうな。お前が理解するにはまだ早い。」
そう言った土方は、薄く笑っていた。
まるで桜には理解してほしくないと言わんばかりの、そんな表情をしていた。
月明かりの下
舞い散るサクラの花が美しい
ただ、静かな夜だった。