桜が散るように ー 新撰組 ー



「じゃあ土方さん、審判頼みますね!」


沖田さんは意気揚々と素振りをしながら、土方さんに頼む。


「あ゙?なんで俺なん――」

「今この場に土方さんしか居ないんです。お願いします、……ね?」



沖田は上目遣いで土方を見る。


女の武器を女より使いこなす沖田。

沖田は綺麗な顔立ちなのだから、ときめく男も少なくない。


しかし


「分かった。分かったからその目をやめろ気色悪い。」


どうやら土方には別の意味で効果絶大だったようだ。


顔を真っ青にしながら「吐き気が……」と呟いている。




「失礼ですね土方さん。ね、桜さん?」


「え゙……。」




にこやかに桜にふった沖田。


桜は沖田と土方の言い争いに巻き込まれないように、ソッとひっそり、一歩後退していたのだ。




しかし、沖田の言葉でその行動も意味を為さなくなった。







< 45 / 242 >

この作品をシェア

pagetop