桜が散るように ー 新撰組 ー
「じゃあ土方さん、審判頼みますね!」
沖田さんは意気揚々と素振りをしながら、土方さんに頼む。
「あ゙?なんで俺なん――」
「今この場に土方さんしか居ないんです。お願いします、……ね?」
沖田は上目遣いで土方を見る。
女の武器を女より使いこなす沖田。
沖田は綺麗な顔立ちなのだから、ときめく男も少なくない。
しかし
「分かった。分かったからその目をやめろ気色悪い。」
どうやら土方には別の意味で効果絶大だったようだ。
顔を真っ青にしながら「吐き気が……」と呟いている。
「失礼ですね土方さん。ね、桜さん?」
「え゙……。」
にこやかに桜にふった沖田。
桜は沖田と土方の言い争いに巻き込まれないように、ソッとひっそり、一歩後退していたのだ。
しかし、沖田の言葉でその行動も意味を為さなくなった。